2022年大賞受賞確定/

特別賞     ジャーナリスト 鈴木エイト氏

【映像部門】

大賞:     目撃!にっぽん「声をあげて、そして」(NHK)

メディア賞:  ドキュメンタリー傑作選・異国の地で~ベトナム人実習生はなぜ罪に問われたのか~(RKK熊本放送)

アンビシャス賞:ETV特集『ブラッドが見つめた戦争 あるウクライナ市民兵の8年』(NHK教育)

優秀賞:    NHKスペシャル「追跡 謎の中国船~〝海底覇権〟をめぐる攻防~」(NHK)

同:      テレメンタリー 報道特別番組「復帰50の物語」(QAB琉球朝日放送)

同:      テレメンタリー2022「女性議員が増えない国で」(テレビ朝日)

同:      ドキュメントJ「還らざる日の丸~復帰50年 沖縄と祖国~」(RBC琉球放送)

【活字部門】

大賞:     文鮮明氏「安倍派中心に」89年発言録で判明/旧統一教会が政界工作(毎日新聞)

メディア賞:  消えた「四島返還」/安倍政権 日ロ交渉2800日を追う」(北海道新聞)

アンビシャス賞:国「拉致問題の本 充実を」/司書困惑 図書館の自由揺るがす「依頼」(朝日新聞)

優秀賞:    公害「PFOA」連載30回(報道機関「Tansa」)

同:      復帰50年基地はなぜ動かないのか(朝日新聞)/

 【概況】2022年は「歴史の転換点」とも言われる特異な1年でした。ロシアがウクライナに軍事侵攻し、銃撃されて亡くなった安倍元首相の背景には「政治と宗教」の問題がありました。激震が走った世界、日本ではコロナ・パンデミックが続き、経済も先行きが見通せないままでした。私たちはそんな不安な時代に生き、ビッグニュースに振り回されていました。

そんな年の選考は今回で14回目となりましたが、方法は例年と同様に行いました。新聞を主にした活字、テレビを主にした映像の2部門のいずれも、毎年1月1日から12月31日まで、札幌で読んだり見たりできたものを対象に、会員に推薦してもらっています。会員外の非会員の市民も、知人の会員名義にして受け付けていますので、メディアに関心のある人が応募しているといえます。

こうして上がった候補については1月初めにまとめてホームぺージで紹介、第1次選考会として今年は1月14日に情報交換しています。「気になる作品」をみんなで見る集中上映などを挟んで、今年の場合は1月28日に最終選考会を開きました。会では活字、映像ともに会員が複数の作品を投票、上位作品について意見交換し、各賞を決めています。

今回は安倍元首相が銃撃され死亡した事件、その背景を追及する報道がやはり最大の関心となりました。その結果、旧統一教会問題を長年、独自に調査、追及してきたジャーナリスト鈴木エイト氏に「特別賞」を贈ることになりましたが、活字部門の候補としては単著「自民党の統一教会汚染追跡3000日」が推されていました。従来の表彰規定では単行本を対処としていなかったのですが、鈴木氏のテレビはじめメディア媒体における発言は事実に基づいた的確さで、既存メディアをリードしていました。その活動は蓄積された情報と合わせて、市民の期待に応えるジャーナリズムそのものと高く評価され、ジャーナリストの活動としての特別賞となりました。

 ちなみに今回の選考では【映像部門】で31本、【活字部門】で26本がそれぞれ推薦されました。映像部門では数10回に及ぶシリーズ連載がありましたが、その場合は代表的な作品を選んで選考しました。大賞の「声をあげて、そして」は伊藤詩織さんを主人公にしたドキュメントですが、数年間に及ぶ取材を濃密に、しかも苦悩する生身の姿を簡潔に描いた作品として評価されました。活字部門の最近の特徴は大手新聞社が紙の新聞とデジタル版を併用することが顕著になったことです。メディア賞の道新の「4島返還」はデジタル、新聞、単行本と、まさに横断的です。またネット空間の報道も無視できなくなったこともあり、当会も対象範囲を広げ、今回初めてネットで勝負している、報道機関「Tansa」の連載企画を賞に選びました。両部門のテーマ傾向は、毎年、「その時代を映したものとしか」表現のしようがありませんのでホームページをご覧ください。

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