メディアと市民の協働こそ

    北大で3月4日に22年表彰式

2022年メディア・アンビシャス大賞の表彰式が3月4日午後、北海道大学(札幌市)の学術交流会館で開かれた。受賞者は会場へ直接参加したほか、ZOOMによるオンラインで全国から登場した。ユーチューブ中継も行われ、多くの人が表彰式に加わり、メディアと視聴者・読者である市民が協働するありように思いを馳せていた。

 主催者あいさつで上田文雄代表は、元総務大臣が放送法に基づく電波停止に言及して問題になっている国会の政治状況に触れ、「かかる事態にみられる政治圧力にめげず、志高く頑張っているメディアの皆さんに感謝をささげたい」と述べ、さらに「市民の側でもメディアを見る目を鍛えて、私たちを取りまく政治状況を共有していきたい」と提起していた。

 この後、活字、映像の各部門別に表彰状が順次贈られ、受賞者がスピーチした。会場参加で最初に活字部門の大賞を受けた田中裕之さん(毎日新聞社デジタル報道センター記者)は受賞記事となった旧統一教会の文鮮明氏語録の報道手法を紹介しながら、「大賞が取材班一同の励みになっている。統一教会問題の報道が少なくなっているが、終わらせてはいけない」と話していた。

 映像部門では大賞を受けた宣英里さん、池田亜佑さん(ともにNHKディレクター)はZOOMで登場し。ドキュメントで取り上げたジャーナリスト伊藤詩織さんがありのままの姿をカメラの前に見せていたことに感謝するとともに、「伊藤さんの明るく豊かな感情を伝えきれたか」(宣さん)とも自問し、取材されるものと取材するものの緊張感を振り返っていた。

 特別賞に選ばれたジャーナリストの鈴木エイトさんは会場で、「メディアの役割とジャーナリズムの復権」と題して特別スピーチ。旧統一教会へ関わり始めた契機や、蓄積した情報もメディアに長年省みられなかった経緯を振り返り、「カルト問題は人権問題。弱者救済と権力監視はメディの役割ではないか」と指摘し、メディアの持つ組織・機動力を生かしてほしい、とエールを送っていた。

 なお、表彰式の模様はユーチューブhttp://youtu.be/rLdg2QZJRAoで、受賞者のあいさつ、鈴木さんのスピーチを視聴できる。また各賞の受賞タイトル及び感想文は別途、ホームページの「受賞一覧」に掲載している。

今回の表彰式は北海道大学院メディア・コミュニケーション研究院東アジアメディア研究センターの共催として行われた。(写真は式後。希望者による記念です。)

テキスト ボックス:
Print Friendly, PDF & Email

コメント