(2025年2月5日発表)
大賞選考は今回で第16回となり、昨年1年間(2024年1月1日―12月31日)に発表された報道が選考対象でした。審査及び投票は年初の1次選考会を経て、2月1日の最終選考会で映像・活字両部門の各賞を以下の通りに決定しました。なお表彰式は3月15日(土)午後2時から、ズームで受賞者と結んだオンラインで行い、市民向けにはユーチューブで同時に一般公開する予定です。
2024年メディア・アンビシャス大賞 入賞一覧
(2025年2月記)
【映像】(賞の名称の後はタイトル、かっこ内は放送日、続いて制作放送局名)
▷大賞 BS12スペシャル「はだしのゲン」の熱伝導 ~原爆漫画を伝える人々~(9月28日)BS12
▷メディア賞 ドキュメンタリー「映像」シリーズ 記者たち~多数になびく社会のなかで~(3月3日)MBS
▷アンビシャス賞 ETV特集「無差別爆撃を問う ~弁護士たちのBC級横浜裁判~」(8月24日)NHK
▷優秀賞 ETV特集「膨張と忘却 ~理の人が見た原子力政策~」(3月2日)NHK
▷優秀賞 ザ・ドキュメント さまよう信念 情報源は見殺しにされた(7月12日)関西テレビ
▷優秀賞 FNSドキュメンタリー 扉の先に~ゆりかごと内密出産~(12月16日)テレビ熊本
▷北海道賞 アイヌとヘイト~文化振興の陰で~(5月30)HBC
▷北海道賞 テレメンタリー2024「沈黙の搾取 見過ごされた障害者虐待」(10月21日)HTB
【活字】(賞の名称の後はタイトル、かっこ内は主な掲載日、続いて掲載紙など)
▷大賞 追跡 公安捜査(6月15日~10回 別掲8月14日) 毎日新聞
▷メディア賞 教員わいせつ事件で横浜市教委が「傍聴ブロック」(5月21日)東京新聞/共同通信
▷アンビシャス賞 裏金 非公認側にも2000万円(10月23日)しんぶん赤旗
▷優秀賞 「最後の砦 刑事司法と再審」(23年~24年10月)静岡新聞
【選考概況】映像、活字ともに例年より倍近い推薦候補が並び、一次選考でそれぞれ半分前後に絞った。部門別の評にも重なるが、映像部門ではパレスチナのガザやウクライナの戦争など「目に訴える」ドキュメントが候補に多くあげられ、「活字部門」では裏金問題はじめ取材を積み上げて「読ませる」候補が多く残りました。当たり前の話なのですが、それぞれのメディア特性がより色濃く表れた候補推薦と選考だったと思われました。
【映像部門】1次選考で推薦58件から時事性の強い作品33件に絞られました。原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を取り巻く最近の状況を描いたBS12スペシャルは、21年の大賞以来2回目の受賞です。東京局とは言え地味な放送局の心意気にあふれていました。真摯に取材に励む記者たちを描いたメディア賞の作品は、最近「メディア不信」の2文字にさらされる現場からの反証のように感じられました。
【活字部門】55件の候補から1次選考で23件に絞られました。大賞に選ばれた「毎日の「追跡 公安捜査」は捜査側内部からも捏造を指摘された大川原化工機事件を主な題材に置いていますが、過去の公安事件も織り込んだ長年の蓄積を生かしたものです。自らの課題とする事案に長年向き合い、モノにする記者の姿勢が好感されました。選考でも他を圧倒しました。アンビシャス賞は大手メディアの中で奮闘する新聞赤旗の功労に対する市民からの拍手です。(文責・山本)
コメント