2023年大賞「受賞感想の栞」

受賞感想【活字部門】

▷大賞 特報部掲載の一連のアイヌ民族レポート

                  東京新聞特別報道部    記者 木原育子

和人の加害性に向き合いながら

このたびは栄誉ある賞に選んでいただき、本当にありがとうございました。取材に協力してくださったアイヌ民族ほか多くの人たちなくしてはこの栄誉はなく、ともに喜びを分かち合いたいと思っています。

私がアイヌ民族の取材を始めたのは、コロナ禍がきっかけでした。新型コロナウイルスがまだ何ものかも分かっていなかった当初、和人(アイヌ以外の日本人)は「コロナに打ち勝つ」と勇ましかった。

一方、アイヌ民族の人たちは、コロナにも神を感じ、戦うのではなく、「あるべき場所へ戻ってください」と言って、祈りを捧げていました。「打ち勝つ」のではなく、自然と共生して生きるアイヌの文化や精神性に強烈に惹かれたのが始まりでした。

ただ、アイヌ民族を伝えることは一筋縄ではいきませんでした。アイヌ民族の歴史や背景を伝えることは、アイヌ民族ではない私たち和人側の加害性に向き合うことと同義だったからです。突きつけられる思いを受け止め、昇華し、わかりやすく伝える。記者としてさまざまなテーマを描いてきましたが、難易度が高く、悩みもしました。

何度も説明を乞う私に、根気強く教えてくださったアイヌ民族のみなさま、この場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。

近年は、SNS上を中心にしたアイヌ民族への差別や偏見、ヘイトからの攻撃が、急速に強まっています。明治政府がアイヌ民族に強いた屈辱と同じように、形を変えてアイヌ民族を追い詰めている。あってはならないと思っています。

この賞をきっかけに、改めてアイヌ民族が置かれてきた真実を捉え直し、伝え続けていきたい。アイヌ民族を知ることは、私たち自身を知ることにつながるというのは明白なことだから。この受賞を新たな始まりの一歩にしたいと思います。

▷メディア賞 自民党派閥パーティー券のスクープによる裏金づくりの一連の報道

              「しんぶん赤旗」日曜版編集部担当デスク 山田健介                               記者 笹川神由

若い記者の気づきを発端に

本来であれば選考対象期間外のところ、素晴らしい賞をいただき光栄です。

 自民党の主要5派閥が、派閥の政治資金パーティー収入を過少記載していた政治資金規正法違反疑惑を「赤旗」日曜版が最初に報じたのは、2022年11月6日号でした。

以前から編集部は、企業・団体献金の〝大穴〟となっていた政治資金パーティ―について問題意識を持ち調査していました。そのなかで、若い記者が政治資金収支報告書の脱法的な不記載の手口を発見しました。編集部は、全国の政治団体の収支報告書を調査。粘り強い作業の結果、自民党の主要5派閥の不記載額は3年間で約2500万円にまで積み上がりました。その際にコメントを求めた上脇博之・神戸学院大学教授は、その後も編集部と連携して独自調査を加え、規正法違反の疑いで東京地検に刑事告発しました。それが特捜部による捜査につながりました。

法政大学名誉教授・前総長の田中優子さんは、「赤旗」の調査報道について「ジャーナリストの調査と市民の告発の連携が政治家を追い詰めたことには、希望が持てる」(「東京」2023年12月31日)と評価して下さいました。

今回、市民の立場から優れた報道を評価する同賞を受賞できたことは、たいへん励みになります。この受賞の喜びを上脇教授とともに分かち合いたいと思っています。

 まだ裏金事件は終わっていません。日曜版編集部は引き続き真相解明に向け全力で取り組みます。(文・山田)

▷アンビシャス賞 連載「鉄路の行方を考える」

                   北海道新聞特別編集委員兼解説委員 鈴木徹

「安全牌記者にならないために」

 1人の記者が「道内鉄路の存廃」という限定的なテーマで数カ月にわたってコラムを連載するのは、道新では過去あまりなかった取り組みだと思います。ピントのずれた記事で「炎上」するリスクとも隣り合わせでしたが、今回、名誉ある賞をいただき、少し自信を持てました。
 この問題は、道新の東京報道センター、本社経済部、本社報道センターの各部署が国土交通省、JR北海道、北海道庁などの取材先に担当記者を配置し、日常的に取材しています。こうした分業体制はネタを漏らさず拾っていく上で有効ですが、担当記者が各取材先の理屈や価値観に引っ張られてしまう欠点があります。いわゆる「安全牌記者」です。
 鉄路の維持負担を巡って国と道・沿線自治体の利害が対立する中で、現行の法制度や国の政策、JRの経営方針などに沿ったニュースを素直に報道しているだけでは、どうしても国やJRに都合の良い内容になりがちです。私がこのテーマを選んだのは、そんな記事が増えていることに、もどかしさを感じたからでした。国交省やJRを担当したことがなく、鉄道ファンでもないからこそ、気づいたのかもしれません。
 単純に善悪や正誤を判断できる問題ではありませんから、取材先や識者とできるだけ意見を交わし、相手に理があれば軌道修正するプロセスを重視しました。自分の主張はなるべく控え、統計データや政策の国際比較、歴史的な経緯などから制度・政策の矛盾や欠陥を指摘することに徹しました。今は取材先に食い込むことに精一杯の若い記者たちに、「こんなやり方もあるんだね」と、少しでも考えてもらえたら幸いです。

▷優秀賞 連載「警察庁長官狙撃事件 実行犯はオウムに無縁? 連載Nの記録」

                     毎日新聞東京本社社会部記者 遠藤浩二

「歴史的な価値」で記事化を確信

この度は栄誉ある賞を頂き、ありがとうございます。

今回の取材は、2019年9月にあった一本の電話から始まりました。別件の取材で知り合った男性が「警察庁長官狙撃事件を扱った番組に私の顔写真が映っている。モザイクがかかっているが、見る人が見たら私と分かる。訴えたいがどうすればいいか」という相談でした。

その後、連絡を取り合う中で、男性は中村泰受刑者との出会いや米国で一緒に射撃場に行ったことなどは話してくれましたが、核心部分については口を閉ざしたままでした。状況を打開するために頼ったのが中村受刑者の弟でした。2022年3月、弟に医療刑務所で中村受刑者と面会してもらい、男性が証言することの了承を得ました。また、中村受刑者の体調が非常に悪化していることも分かりました。「中村さんが生きている間に真実を明らかにしましょう」と男性を説得し、翌4月に事件の詳細を聞くことができました。

男性の証言を得てから、当時の捜査幹部や捜査員を訪ね歩きました。「いつかこういう日がくると思っていた。これを見たら中学生でも中村が犯人と分かる」と言って膨大な捜査資料を提供してもらった時や、「狙撃事件はオウムの犯行ではない。男性の証言を捜査資料と共に報道することは歴史的な価値がある」と言ってもらった時は、記事化できることを確信しました。

昨年から大川原化工機の冤罪事件を取材しています。狙撃事件と共通するのは、公安部は事件の見立てを一度決めたら、軌道修正することなく、マイナス証拠を捨てて、立件に突き進むということです。当局側の捜査の内情をつかむことは簡単ではありませんが、「権力の監視」というジャーナリズムの基本を肝に銘じ、今後も地道な取材を続けていこうと思います。

▷優秀賞 連載「追い詰められる女性たち」

       朝日新聞取材班 大宮司聡(次長)、清川卓史、小島弘之、高橋美佐子                中井なつみ、中塚久美子、久永隆一、山内深紗子

「負けるな」というメッセージとして

改めて感じたのは、女性たちが抱える「問題」は当事者でも直視できないほど深刻であるということです。可視化して報道することが必ずしも事態の改善につながらないのは、それだけ女性たちは生きづらい日常を生きている証左に他なりません。例えば、長期の取材にご協力いただいた高齢ヘルパーの女性は、様々な事情が重なり、いまも苦境のなかで生活しておられます。連載を評価いただいたことを光栄に思う一方、こうした状況を何も変えられていないことへの心の痛みもあります。信じがたいことですが、国は来年度以降の訪問介護の基本報酬を引き下げました。

家父長制、男尊女卑、雇用問題など、古くからある女性の「生きづらさ」のあらゆる根源的問題が解消されないまま、コロナ禍でコップの水があふれ出たのです。それは「命」そのものでした。制度があっても届かない人が数多くいるという現実と、「助けて」という声をあげる難しさや勇気を出して発した言葉が届かない理不尽さに、押しつぶされていました。ケアワークの価値や女性の人権を貶める構造は、なお岩盤のように立ちはだかっています。

それらを生み出すメカニズムをつかみ、一人一人の尊厳を守るためにどのように変えていくことができるのかを市民とともに考えられる議論の場が必要です。今回の受賞は、その重要な役割をメディアが担っていることを忘れるな、続けろ、負けるな、というメッセージであり、同時に、取材を受けてくださった方をはじめすべての当事者に、「あなたの声には力がある」と光をあてたものと受け止めます。思いを共有できたことが、何よりも嬉しいです。(文・中塚)

▷優秀賞 連載「ワンピースを着て、街へ出た」

      朝日新聞北海道支社報道センター(現、東京本社文化部)記者 平岡春人

差別の苦しみは社会構造から

セルフドキュメンタリーのような手法をとることには葛藤もありました。

当事者がよく経験する苦難の多くを偶然にもパスした自分が、表に立つことになるからです。不登校になる、就職ができない、性別適合手術に百万円以上かかる――。そうした様々な壁を経験していない私が、理不尽に苦しむ人に光を当てるべき新聞の上で語り手になることが最適だったのか、今でも分かりません。

ただ、ひとりの人間の細かい心情や、それを引き起こした小さな出来事、女性の格好で生活しはじめた私に対する家族や友人の反応をつぶさに記すことで、追体験のようなものができる連載にはできたかなと思います。賞をいただき、その希望的観測を少し強化することができました。

性同一性障害、トランスジェンダー、ノンバイナリーなど、私はずっと前からたくさんの言葉を知っていたのに、それらを自分と重ね合わせませんでした。どうしてそうしていたのか、もうほとんど覚えていません。ただ、この連載を読み返せば少し思い出せるような気がします。そうだ、私はこれまで辛かったんだ、と。ワンピースを着て、街へ出る。たったそれだけのことに覚悟が必要でした。

社会は人を男女に分けるシステムになっています。そんな社会の中で苦しむ人たちにこの連載が届いたら嬉しいです。社会構造によって苦しむ存在について今後も書き続けようと思います。受賞はその励みにします。選んでいただき、本当にありがとうございます。

▷特別賞 連載「海と国境」

                       北海道新聞特別編集委員 本田良一

国境の敏感さを感じてと願い込めた

2023年の「メディア・アンビシャス大賞特別賞」という栄えある賞をいただき、光栄です。

 この連載は日本の境界地域と、その周辺の海に視点を置き、隣国関係の歴史を踏まえてその現状を報告し、今後を展望するという狙いで2017年11月にスタートし、この3月に700回で完結しました。しかし展望を示すまでは至らず、現状報告に留まった感があり、そこは力不足だったかと思います。

 オホーツク海、日本海、東シナ海を仕事場とする漁師さん、漁業会社や漁業団体幹部の方々に取材して共通して感じたことは、いずれも厳しい現状が世間にほとんど知られていない、国も大切にしてくれていない、という思いでした。

 それは連載でも紹介した、ある漁協組合長の次の言葉に集約されています。

 「たかが漁業者は全国で13万~14万人。国は問題への対処方針も示さんし、軽んじているとしか思えない」

 今回の受賞では「日本と周辺諸国との関係を掘り下げ、資料的価値も高い」と評価していただきました。境界地域は平和時には交流のゲートウエーになり、紛争時には対立の最前線になります。隣国関係の変化が最も敏感には反映される場所です。

 この連載が境界地域と、その周辺の海に対する国やメディア、世間の関心を高めることに少しでも役立てば、と願っています。

【映像部門】

▷大賞 NNNドキュメント「いろめがね~部落と差別~」

                      山口放送プロデューサー 佐々木 聰

無知と素朴な疑問からスタート

きっかけは農業取材でした。ある畜産家の密着取材で屠畜場へ同行することになり、付け焼刃の知識を得るため部落問題に関する書籍を読み漁るうちに、恥ずかしいほど稚拙な疑問が湧き上がってきました。

部落とは何か―

なぜそこに差別が生じ今も続くのか―

そもそも人はなぜ差別をしてしまうのか―

つまり私自身が部落問題について無知、無理解、無関心である証拠でした。小学校で過去のこととして習った部落差別は今も確かに存在し、目を向けないと気づかない人権侵害がそこにはあると知り取材を始めました。2022年2月からローカルニュース番組内でシリーズ「部落差別と人権」と題し、これまで13回特集を放送しました。その素材をまとめたこの番組は、まさに日々の放送から生れ落ちたと言えます。

私自身、取材でお世話になっているある障碍者に対して、差別意識を抱いたことがあります。逆に、いじめやハラスメントを受けたと感じたこともあります。同様に多くの方が「どちらの側」にも立った経験があるでしょう。「差別と人権」というものを立ち止まって考える機会となった今回の放送活動は、私にとって「なぜあのとき差別意識を抱いてしてしまったのか」という疑問への答え探しでもありました。また、取材先の方々からは多くを教えて頂きました。「差別をする側には立ちたくない」と、「様々な人権侵害に自覚的でありたい」と、強く思えるようになりました。今回の受賞を励みに、ひとりでも多くの人が人権について考える機会を生み出せるよう努力を続けます。

▷メディア賞 ETV特集「続報 “冤(えん)罪”の深層~新資料は何を語るのか~」

                     NHK Eテレ ディレクター 石原大史

冤罪生み出す権力構造をえぐる

この度は栄えある賞をいただき大変ありがたく名誉に思っております。取材にご協力頂いた関係者の皆様、制作に携わった仲間たちと、喜びを分かち合えたらと思います。

この番組は、警視庁公安部が引き起こした冤罪事件について、警察の内部資料をもとに検証したものです。公安部は、法令解釈をねじ曲げ、曲解とも言える資料を作成し、都合の良い事実だけを並べて、事件を作り上げていきました。その過程で、警察上層部、経済産業省や東京地方検察庁は歯止め役になり得ず、むしろそれぞれの都合で公安部の事件化の判断を後押ししていきました。

事件の背後には国が掲げる経済安全保障への忖度も見えてきました。巨大な力の行使により、実直なもの作りで知られる中小企業が、悪の企業へと仕立て上げられる様は、取材をしながら恐ろしさを感じるものでした。さらに、その過程で、長期勾留の結果、一人の技術者が亡くなったことはあってはならないことでした。ご遺族は、今もその傷から立ち直り切れておりません。

このような事件を再び繰り返さないためには、事実の検証と組織の謝罪が不可欠と、会社の皆さんは訴えています。会社が国と東京都を訴えた損害賠償請求訴訟は、会社側勝訴の地裁判決が出たものの、控訴により長期化の様相を見せ始めています。私たちは、引き続き取材を継続していく覚悟です。是非皆様も事件の今後の行方に注目して頂ければと思います。

▷アンビシャス賞 「閉じ込められた女性たち~孤立出産とグレーゾーン~」

                   北海道放送報道部プロデューサー  山崎 裕侍                              記者 貴田岡結衣

小さな声積み重ねて実態浮き彫りに

この度は、栄誉ある賞をいただきありがとうございます。

取材をはじめたきっかけとなった、JR千歳駅のコインロッカーに赤ちゃんの遺体が遺棄されていた事件。後に逮捕されたのは、私と同い年の女でした。発生当初の時点で、思いがけない妊娠ゆえの犯行だろうと想像して取材を進めていました。

しかし、裁判で明らかになった背景は、複雑で繊細なものでした。語られる彼女の人生。どこかで助けを求められなかったのかと思うものの、それが出来ない。これが彼女の生きづらさだったのです。女は涙を流しながら、「社会が求める普通が出来なかった」と答えていたのが、強く印象に残りました。

彼女自身の取材は叶わなかったものの、それぞれの当事者に話を聞きながら取材を進めました。

はじめは取材相手に対し、性にまつわることについて根ほり葉ほり聞くことに戸惑いや気おくれを感じていたことがありました。しかし、声をあげてくれた女性たちは迷いを見せながらも、自身の閉塞感を言葉にしながら一生懸命私に伝えてくださいました。その小さな声を届けていこうと覚悟を決めました。

少しでもこの番組が、閉じ込められた女性たちの存在を照らすものでありたいと思いながらも、いまも全国でよく乳児遺棄事件が後を絶ちません。「安易に子供をつくるな」「性風俗なんかやるからだ」という自己責任論の押し付けは変わりません。事件というのは、個人の自己責任だけで解決するものではなく、社会の課題であると思います。

女を「普通」から排除した、孤立出産、性風俗、発達障害グレーゾーン…共感されにくく、見えにくい、そして見ようともしてこなかった世界。これからも、つぶさに取材を続けていけるよう努力を重ねていきたいと思います。(文・貴田岡)

▷優秀賞 ETV特集「ルポ 死亡退院~精神医療・闇の実態~」

                      NHK Eテレ ディレクター  青山浩平                                 同 持丸彰子

長年の蓄積生かして、さらに飛躍

 ETV特集「ルポ死亡退院」を栄誉ある賞に選んでいただき、本当に光栄です。ありがとうございました。

 一度内実を知ってしまったら見て見ぬふりはできない。それが精神医療の取材です。実は日本は精神科病院大国。世界の精神科病床の2割が日本に集中するともいわれ、入院期間も突出して長くなっています。国連やWHOから深刻な人権侵害と勧告を受けてきているのですが、その内実についてはあまり知られることはありませんでした。そのため私たちはこの8年、様々な切り口で精神科の取材を継続してきました。

 そうしたなか複数の内部告発者からもたらされたのが滝山病院の膨大な虐待の映像や音声、内部資料です。1年以上に渡る取材は困難を極めました。患者・家族・医療関係者のもとを徹底的に回り、カルテ等の証拠や証言を集めました。目指したのは悪質な病院の告発にとどまらず、社会の構造を浮かび上がらせること。なぜこの病院を必要として、なぜ見て見ぬふりをするのか?内部告発者たちの勇気や相原啓介弁護士の奮闘で番組は大きな反響を呼びましたが、病院を取り巻く環境は未だに改善しているとは言いがたい状況です。

 弱い立場にある人たちの命と尊厳が踏みにじられているこの国の実情を、少しでも多くの方に知って頂くことで、社会がより良い方向に変わってほしい。番組制作にご協力頂いた全ての皆様に深く御礼を申し上げつつ、引き続き取材に尽力して参ります。/

▷特別賞 BBC「J-Popの捕食者 秘められたスキャンダル」

(Predator: The Secret Scandal of J-Pop)

                       ジャーナリスト モビーン・アザー                            監督 メグミ・インマン

被害者の勇気こそが原動力

この度は特別賞に選出いただき、本当に有難うございます。海外メディア制作の番組が表彰されることは異例とのことでしたので、特別に選出いただいたことを本当に嬉しく思います。

この番組は、カメラの前や、オフレコで勇気ある証言をしてくれたサバイバーや、放送後に声を上げた勇敢なサバイバーの方たちがいたからこそ、これだけのインパクトを残すことができました。彼らの勇気に心から感謝します。

また、この問題はとても長い間噂されてきたため、番組が放送されても日本の人々に受け入れられ、大きな議論に繋がるか不安でした。しかし、ここまで大きな反響をいただいたことを大変嬉しく思います。

そして、この問題について議論を深めるためにSNSで投稿したり、記事を執筆したり、あるいは会話をした人達全員が、虐待を受けたサバイバーにとって、今後何かしらの正義がもたらされることに寄与できることを願っています。

この変革に貢献した皆さんに心から感謝いたします。

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