(選考会:2026年2月7日、愛生舘サロン)
17回目となる今回は昨年1年間(2025年1月1日―12月31日)に発表された報道を選考対象にしました。審査及び投票は25年年初の選考会を経て、2月7日の最終選考会で映像・活字両部門の各賞を右ページの通りに決定しました。なお表彰式は北大大学院メディア・コミュニケーション研究院を拠点にズームで受賞者と結び、一般向けにもユーチューブ中継するオンライン方式で行う予定です。
【活字部門】
▷大賞 安倍元首相の国葬文書隠蔽裁判「記録のない国」(24年9月~)「人質司法悪党たち」(25年10月~)いずれもTansa
▷メディア賞 沖縄・牛島司令官の辞世の文言改ざん(6月22日、沖縄タイムス)
▷アンビシャス賞 「戦禍とアイヌ民族」=記者がたどる戦争特別編(1月1日~6日 、道新)
▷アンビシャス賞 フォーラム女性トイレの行列を考える(6月8、15日の2回、朝日新聞)
【映像部門】
▷大賞 NNNドキュメント「言えない心のうちがわを 家庭内の性虐待・子ども達の葛藤」(1月6日、 STV-日本テレビ)
▷メディア賞 FNSドキュメンタリー 警察官の告白~鹿児島県警情報漏洩事件を問う~(12月18日 UHB-鹿児島テレビ)
▷アンビシャス賞 報道特集「兵庫県知事関連報道」(HBC-TBS)
▷アンビシャス賞 ETV特集「フェイクとリアル 川口 クルド人 真相」(4月6日 NHK Eテレ)
▷アンビシャス賞 ドキュメンタリー「解放区」 受忍“耐え忍ぶ国”の終わらぬ戦争 (12月7日 TBS)
【選考概況】戦後80年の節目の年とあって、映像・活字ともに「戦後80年」モノがやはり多く目についた。ただアジア・太平洋戦争の内容そのものより、その体験を基点に戦後80年をどのように生きてきたか、また戦争とその後の体験を後世代にどのように伝えるかという視点が強く見られた。また他のジャーナリズムの賞を受けていない作品を選ぼうという意見も聞かれた。市民に身近な記事やドキュメントに少しでも光を当てたいという当会の趣旨にも関わる指摘だが、今後の課題だろう。
【映像部門】 推薦された65本の作品を1次選考で37本に絞ったうえで選考した。大賞となった日本テレビの「言えない心のうちがわ」はこれまで取り上げられることの少なかった家庭内性暴力に正面から切り込んだ作品。おぞましい体験を乗り越える女性たちに寄り添った報告が、淡々とした展開ながら説得力を発揮していた。TBSの報道特集「兵庫県知事関連報道」は毎回20分強にまとめられた10数本を一括して評価、そのチャレンジングな取り組みが高く評価された。
【活字部門】推薦された53本の約半数が1次選考を通過した。大賞に選ばれた報道機関「TANSA」の記事は自ら起こした安倍元首相の国葬文書開示請求裁判の報告と、官憲からの弾圧を受け続ける「関ナマ」事件のレポートの2本を対象にしている。いずれも既存メディアが取り組まない問題についての調査報道であり、メディアに対する問題提起と評価された。アンビシャス賞に選ばれた朝日の「フォーラム女性トイレ」は着眼点の面白さに注目が集まった。(文責・山本)

